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連載コラム
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職場のコミュニケーション力

全24回に渡って、“職場内のコミュニケーション”にフォーカスを当て、職場風土を改善するためのさまざまなヒントをお届けしてまいります。


<執筆>
株式会社メディケアソリューション
代表取締役 鯨岡 栄一郎
http://coachpt.com/

第4回: 好き嫌いを越えた関係形成に向けて

相手への決めつけは誤解や勘違いを膨張させる

 私たちが働くうえで、理想や建前論を超えて「好き嫌い」が円滑なコミュニケーションを阻害し、組織運営がうまくいかない要因となることは少なくありません。場合によってはそれがスタッフのメンタルやモチベーションに影響を及ぼすことすらあります。

 職場には色々なタイプの人がいます。なかには、あまり好きではない人や苦手な人もいるでしょう。まず前提として、無理に好きになろうとしなくてもよいのです。

 しかし、当然プロとしての仕事は遂行しなくてはいけません。私たちが仕事をする本来の目的は、「利用者さんのよりよい生活の実現」のはずです。ですから、そこに単なる好き嫌いの要素が入りサービスの質が変わってしまうことは避けなければなりません。

 本来の目的達成のために、最初にすぐできることは、好きか嫌いかはいったん脇に置いておき、ある部分は仕事と割り切り、感情をよい意味での「仕事モード」にしてしまうことです。「嫌い」というスタンスで話せば、あなたの表情や様子から、それは相手に伝ってしまいます。そこで会話のなかで、「仕事モード」で笑顔やうなずきを織り交ぜながらやり取りすると、それだけでもその場の関係性が変わるのです。

 また、「あの人はどうせこうだろう」という前提で相手を見れば、やはりそのように見えてしまうものです。頭の中に一度抱いた誤解や勘違いは、無意識に膨張してしまいます。このような時、実際面と向かって話せば、そういった誤解はすぐに解けてしまうことも多いのです。まずは言葉を交わしてみること。シンプルですが、とても効果があります。

自らのルールに当てはめず、よい意味で諦めることも重要

 次に、「その人はそういう人だ」とよい意味で諦めてしまうことです。私たちは、とにかく相手と違います。自分自身という圧倒的な正しさの目線で相手を見るわけですが、そういう自分もどの程度のものなのか?自分固有のルールに相手を当てはめようとすると、なかなかそのようになりませんから、つらくもなります。

 相手の背景を探ってみるのも手です。つまらなそうにしていたり、ムッとした表情をしていたら、「もしかすると、少し疲れているのかもしれない」「何かそのような口調になる事情があったのかもしれない」というように、その背景を推測してみます。

 さらに、もし余裕があったら相手の世界観も探ってみます。「あの人は一体何に影響を受けているんだろうか?」「何を大切に思っているんだろうか?」「どんなことに価値を置いているのだろうか?」ということに思いを馳せてみます。そして、相手のコミュニケーションの特徴や傾向を探ってみます。相手の世界観に対して、少しだけ関心をもってみるのです。すると、好きにならずとも、何となく許せたり、しょうがないかな、と思えるようにもなります。

 嫌いな時というのは、相手の嫌な部分に究極的に焦点が当たっている状態です。ゆえに、そこばかりが拡大して見えてしまいます。確かによい所もあるはずなのですが、そこは見えなくなり、見ようともしなくなっているのです。そこで、焦点を相手ではなく仕事や目標という部分に転換すれば、人それぞれの手法に違いはあれど、チームとしてそこに向かっていかざるを得なくなります。

 最後に、相手との違いを受け入れ、理解するというのは、口で言うのは簡単ですが、なかなか難しいことです。カウンセラーの技術で、嫌いな人の前では、「避雷針」のように、イヤな感情を地面に流してしまうと、ストレスが少なくなるそうです。これは効果的ですので、どうしても、という場合はぜひお試しください。

●「嫌いなあの人を味方に変える12 の方法」 久保俊博 2012 かんき出版
●「医療・福祉の現場で使える『コミュニケーション術』実践講座」 鯨岡栄一郎 2012 運動と医学の出版社


※ この記事は月刊誌「WAM」平成25年7月号に掲載されたものです。
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