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職場のコミュニケーション力

全24回に渡って、“職場内のコミュニケーション”にフォーカスを当て、職場風土を改善するためのさまざまなヒントをお届けしてまいります。


<執筆>
株式会社メディケアソリューション
代表取締役 鯨岡 栄一郎
http://coachpt.com/

第21回: 自分の意見をうまく通すテクニック

まずは相手の意見に耳を傾け、さらなる最善策を示す

 実は私は、仕事上で自分の意見が通らないということがあまりありません。これは、一種の交渉術にも近いものがあるかもしれません。例えばある案件があって、それに対して自分の考えの方がベターだと思うのであれば、あとはどのようにうまくその意見を通すか、コミュニケーション力にかかっているといってもよいでしょう。

 そもそも、私のなかには「相手と意見を戦わせる」というイメージがありません。「柔よく剛を制す」というように、相手の出方をうかがいながら、このやり方にした場合、こういう利点がありますよね。その方が(とくに相手にとって)得じゃないですか、ということが示せればよいのです。それによって、最終的には両者にメリットがあるWin−Winの状態にもっていきたい。ですから、無理やり説得はしません。相手も自然な形で「その方がいいかなぁ」と思うように導くことができればよいのです。

 もちろん自分の意見がいつも正しいわけではありません。ですので、相手の意見を聞きながら、そちらの方がこの場面ではメリットがありそうな場合や、適切だと感じるのであれば、潔くその意見に従ってしまうのがよいでしょう。でも、それは決して“負けた”わけではなく、逆に相手に心理的な貸しを作ることにもなるのです。

 そのために、まず相手の話によく耳を傾け、相手が言わんとしていることの意図や背景を探ります。それをしないと、自分のことを理解してもらうのは難しいでしょう。そして相手の言葉をかみ砕いていきます。そのうえで、もし相手の意見の通りにした場合、例えば「こんなデメリットになりそうですけど、どうしましょうね?」、「今回はこちらの方がいいような気がするんですが…?」 と聞いたり、一連のやり取りの後、「どんなもんなんでしょうね?」、「どう思います?」とやんわり質問形で促してみるのです。実は、このように質問する側が会話の主導権を握ることになります。

どうなったら皆がハッピーになれるのか?

 また、相手の言っていることを部分的にでも同意できるところはあるはずです。まずはそこをくみ取って、「ですよね〜」、「なるほど」、「確かにそうですね」、「その点はおっしゃる通りですね」といった言葉でいったんはしっかり受け止めます。次に、どのような言葉をつなげるかです。「ですが」、「でも」、「ただ」といった接続詞でつなげてしまうと、相手に無意識に否定の意を伝えてし まうことになります。そこで、「だとすれば」、「じゃあ」、「であれば」などのように並列につなげて、こちらの意見を提示していくのです。決して相手の批判や反対はしないようにします。

 「7つの習慣」の著者であるスティーブン・R・コヴィー博士は、「相乗効果的なコミュニケーション」を提唱しています。それぞれの相違点について深く理解し合い、両者の意見を生かした「第 3案」でWin.Winを生み出す。これによって、最初は意見が違うもの同志だったとしても、相手との信頼・協力の度合いは高くなるのです。

 もっというと、双方のささいな損得や優劣ではなく、「大目的は何なのか?」が重要になります。かつて近江商人は「売り手良し」、「買い手良し」、「世間良し」の『三方良し』という言葉を残しています。これを今回のテーマに置き換えると、話している双方だけでなく、利用者さんや組織のためにもなる結果につながることが、この場面では最善なのだ、ということです。

 この状況では「一体何が大事なのか?」、「どうなれば皆がハッピーになれるのか?」という視点に立つ。そうすれば、変に相手に迎合したり、自分の意見を無理に押し通したりすることなく、もっとスマートに話しあいや意見交換ができるのではないでしょうか。

●『人を動かす技術』 マイケル・ボルダック[著] 堀江信宏[訳] 2009 フォレスト出版
●『まんがと図解でわかる7つの習慣』 スティーブン・R・コヴィー[監修] 2011 宝島社
● コトバンク『三方良し』  https://kotobank.jp/word/%E4%B8%89%E6%96%B9%E8%89%AF%E3%81%97-514839


※ この記事は月刊誌「WAM」平成26年12月号に掲載されたものです。
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