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連載コラム
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施設経営者のためのコーチング

 全24回に渡って、施設経営者のためのコーチングのヒントをお届けします。


<執筆>
医療法人社団ときわ会
介護老人保健施設小名浜ときわ苑
施設長 鯨岡 栄一郎
http://coachpt.com/

第6回: 組織で生かす質問力 【実践編】

日常的な声かけを「質問形」に

 今回は、現場で生かす質問の具体的スキルについてご紹介していきたい。まず一番の基本は、日常的な声かけを「質問形」に変えて行うことである。脳はいわば「検索エンジン」のようなもの。質問をひとたび投げかければ、そこから新たな思考がスタートするのだ。

 そこで、私どもの施設では、まだ試行的ではあるが、日常の各場面で質問を投げかける機会をつくり、職員の意識啓発とリーダーの質問力向上を狙っている。

< 例 >

○ 朝礼での1分間スピーチにて
 @「あなたの目標は何ですか?」
 A「どうしてそれを実現させたいのですか?」
 B「どうなったらその目標が実現したと分かりますか?」
 C「それを実現させるために、まず何をしますか?」

○ 個人面談にて(1)
 @「上半期を振り返って、自分なりの成果を教えてください」
 A「そのことについて今どのように感じていますか?」
 B「今年後半、どのような結果を手にしたいですか?」
 C「もしそれが実現したらどんな気持ちになるでしょうか?」
 D「そのために、あなたはどんな行動を起こしますか?」

○ 個人面談にて(2)
 @「最近の仕事の状況はいかがですか?」(「今はどんなことを課題に感じていますか?」)
 A「どんなことを目標にしていますか?」
 B「あなたの理想のリーダーシップとは?」
 C「これからどんな仕事をやってみたい?」
 D「当施設を日本一にするために、あなたにどんなことができますか?」
 E「ここまで話してみて、どんなことを感じましたか?」

○ 月1回のリーダー会議の冒頭にて
 @「先月のご自分なりの成果は何ですか?」
 A「今月の重点目標は何ですか?」

より効果的なコーチングスキル

 また、これらのやり取りのなかで、以下のスキルを取り入れていくと、会話がよりコーチング的になり、効果的である。

●チャンクダウン(具体化するスキル)
 「詳しくいうと?」「例えば?」「そのために何をしたらいいかな?」

●チャンクアップ(抽象度を高め、総括的な視点にするスキル)
 「今あなたがしていることは、どんな目的につながってると思う?」「それを一言でいうと?」「それはつまりどんなイメージ?」

●スライドアウト(他のアイデアを引き出すスキル)
 「他には?」「あとどんなことが考えられる?」
 私たちには「質問は一問一答方式」という固定観念があるが、そんなことはない。これを何度か繰り返すことで、一つの質問からいくつも答えが引き出されることをよく経験する。むしろ、何度目かの後に引き出された答えにこそ、濃いものがひそんでいるのだ。

●一連の会話の最後は、行動レベルにまで落とし込む
 「まずどんなことから始める?」
 そして、期限を区切る(「いつまでにやる?」「いつやる?」)ことで、行動に対してコミット(確約、決意表明)させる。

●メタ・コミュニケーション(客観視)
 「ここまで話してみて、どうだった?」「何か気づいたことは?」
 これにより、セッション全体の振り返りをし、気づきの再確認をする。

 以上の流れを行うには多少訓練が必要だが、前もって質問シートを用意しておくなど、肩に力を入れず気軽にトライされることをお勧めしたい。きっと職員にこれまでとは違う刺激が加わり、次の成果につながるはずである。

●「図解コーチングマネジメント」伊藤守 株式会社ディスカバー・トゥエンティワン 2005年


※ この記事は月刊誌「WAM」平成23年9月号に掲載された記事を一部編集したものです。
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