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連載コラム
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施設経営者のためのコーチング

 全24回に渡って、施設経営者のためのコーチングのヒントをお届けします。


<執筆>
医療法人社団ときわ会
介護老人保健施設小名浜ときわ苑
施設長 鯨岡 栄一郎
http://coachpt.com/

第10回: スタッフの自己実現と組織の目標達成を目指すには

目標を発表することで期待される宣言効果と刺激

 コーチングの大きな目的の一つは、「目標達成を支援すること」である。
 日々の忙しい業務のなかで、どうしても目の前の問題に焦点を当てがちになるし、これから先のビジョンについては忘れがちになってしまう。気がつくとモチベーションが下がっていたということは珍しくない。よくスタッフのモチベーションが上がらない、という問題が聞かれるが、目標がなく先が見えないから意欲が湧かないのだ。だからこそ、目標を立てビジョンを描くことが重要なのである。

 それぞれの職場で年間目標や個人目標を立てていることが多いと思うが、いわゆる「絵に描いた餅」になることはないだろうか。ピーター・ドラッカーが提唱したとされるMBO(目標による管理制度)が組織マネジメントの一つの手法として一般的になってきている。これは、自ら業務目標を考えて設定し、その進捗や実行状況を各人が主体的に管理する手法である。本人の意思を尊重し自主性に任せることで、主体性が発揮され結果として大きな成果が得られるという人間観/組織観に基づく考え方である。

 第6回のコラムでもご紹介したが、当施設では、ビジョンを描く訓練の一環として、朝礼時の1分間スピーチで、自身の目標を発表してもらっている。進行役の部門長が以下の質問を1つずつ投げかける。

   @「あなたの目標は何ですか?」
   A「どうしてそれを実現させたいのですか?」
   B「どうなったらその目標が実現したとわかりますか?」
   C「それを実現させるために、まず何をしますか?」

 これに限らず、答えによっては、リーダーが即興で違う質問をすることもある。繰り返し他のスタッフの前で発表することで、“宣言効果”も期待できるし、他のスタッフがそのようなことを考えているのか、と刺激を受ける効果もある。

目標設定の内容は具体的で肯定的に表現する

 基本的な目標設定の仕方として、まずその内容が具体的で明確であることが重要である。そして、目標が肯定的に表現されていること。義務的なもの(have to)ではなく、本人が心から「〜したい」と思うもの(want to)、ワクワクするような内容であるとさらによい。また、それはノルマなのか?「やるべきこと」なのか?誰かにやらされるものでなく、当事者意識をもって取り組めるかが実践意欲にも影響する。そのうえで、内容に関して相手とコンセンサス(合意)が取れていることが大事である。

 面談などの話しあいのなかで、「なぜそのような目標を立てたのか」という理由を明確にし、目標が達成された時のイメージを描く。部下一人ひとりの目標達成が、自己実現にもつながり、部署の目標達成にもつながるような内容にすることが望ましい。

 人は応援されることで、さらに力を発揮する。その進捗管理をしつつ継続的にサポートしていくことが行動を持続させるカギとなるし、リーダー自らが部署や組織の今後のビジョンを語ってあげると、部下にとってやる気につながる。そして、目標面接の最後には、温かい励ましの言葉と「(いろいろ話してくれて)どうもありがとう」という感謝の言葉を伝えると、より思いが相手に伝わるのではないだろうか。

●「コーチングの進め方、そして目標設定<実践編>」 作業療法ジャーナル6月号 鯨岡栄一郎 三輪書店 2011
●「コーチングの基本」 鈴木義幸 [監修]コーチ・エィ [著]日本実業出版社 2009
●「池田貴将通信Vol.4」 池田貴将 株式会社オープンプラットフォーム 2011


※ この記事は月刊誌「WAM」平成24年1月号に掲載された記事を一部編集したものです。
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