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連載コラム
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施設経営者のためのコーチング

 全24回に渡って、施設経営者のためのコーチングのヒントをお届けします。


<執筆>
医療法人社団ときわ会
介護老人保健施設小名浜ときわ苑
施設長 鯨岡 栄一郎
http://coachpt.com/

第17回: 相手に変化を起こす言葉の変換術

一方的な押しつけや指示は逆効果

 言葉というものは非常に重要であり、その使い方如何によって、相手の反応や信頼度は大きく変わってしまう。言い回しを変え、意味づけを変えることによって、相手の感情が変わり、行動が促進される。よくありがちな、相手の思いも確かめず、一方的に押しつけたり、指示したりするのは、よほど信頼関係ができていない限り、逆効果となる。指示命令や、懲罰によって行動させることは、今や時代遅れと言わざるを得ない。

 そこで今回は、現場で部下に変化を起こすための、即効性のあるスキルをご紹介したい。

@前置き
 次のAやBを言う前に使う、許可を得るための枕詞。また、枕詞には行動に肯定的な前提づ けをしたり、相手の感情を前もって推し測って言う目的もある。これによって、相手が提案や要 望を受け入れやすい心構えを作る。

 例)「ちょっとお願いしたいことがあるんだけどいい?」
    「少し厳しい意見になるかもしれないけど…」
    「ちょっとフィードバックさせてもらってもいいかな?」
    「これはあくまで私の提案なんだけど」

 相手に気を使うあまり、「多分難しいとは思うんだけど…」「面倒だとは思うんだけど」のようにネガティブな枕詞を使うと、その言葉通りの前提がついてしまうので、使用には注意したい。

A提案
 提案によって、相手に新しい視点や選択肢を増やす。

 例)「一つ提案なんだけど、○○○してみるっていうのはどうかな?」

 これはまた、承認と併用することによってより効果的になる。

 例)「君の最近の動きは、すごくよくなってきたと感じている。そこで、今度の研究発表に君が適任だと思うんだけど、お願いできるかな?」

相手のメリットを考え、こちらが意図した方向へ導く

B要望(リクエスト)
 コーチングでは、基本的にアドバイスはしない。要望は、それに代わる切り札のようなスキルだ。人は無意識に自分の行動や考え方に「枠」をつくってしまっている。そこで要望によって、それを超えるきっかけをつくるのだ。これをすれば相手は絶対に飛躍できるという内容を要望するのがコツである。

Cサンドイッチ話法
 相手に変革を起こすために、時として、伝えにくいこともあえて伝えることが必要となる。そのために、「承認する内容」 → 「指摘事項」 → 「承認や激励・後押し」のように、伝えにくい話を承認ではさみこんで伝えるのだ。すると、指摘事項を改善の種としてすんなり受け止めながら、前向きに進めることができる。

 同様に、相手の強みをより際立たせ、前向きに行動してもらうために、今の課題を修正しなければ損だと思わせる手法もある。

 例)「君にはこんなよい所があるのに、○○○することによって、周りから誤解されてしまう。
   そうやって過小評価されてしまうのは、もったいないと思わない?」

 このようにすると、よりよくなるために改善した方が得策だと感じ、行動に移しやすいのだ。

 コーチングは、相手をこちらの意のままに操るスキルではない。しかし、相手の意思を確認しながら、相手のメリットを最大限に考えることによって、こちらの意図した方向にいい意味で導くことは可能なのだ。それが、相手の能力を引き出すことにつながる。くれぐれも、やるかやらないか選択権は相手にある。「これを言うことで、相手がどんな感情になるだろうか?」ということに気を配る。そこが大切な視点になろう。

●「コーチングの基本」 鈴木義幸 [監修] コーチ・エィ [著] 日本実業出版社 2009
●「在宅ケアに活かすコーチング」 間裕子 日本看護協会出版会 2007
●「動きたくて眠れなくなる」 池田貴将 サンクチュアリ出版 2012


※ この記事は月刊誌「WAM」平成24年8月号に掲載された記事を一部編集したものです。
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