心の問題を抱える人に対し、臨床心理学などにもとづく専門的な援助を行う
しごとの内容
心理学的な技法によって対象者を検査・診断し、さまざまな心理療法を行います。
具体的には、心の問題や悩みなどについて臨床的な心理学の技法を用いて解決を図ったり、相談に応じたりします。このため、業務にあたっては心理診断の能力や心理治療的援助、技法上の的確な処置能力、人的援助システムの管理能力などが求められます。
主な職場
病院、精神保健福祉センター、デイケアセンター、少年鑑別所、児童相談所、学生相談所、教育相談機関、企業内診療所、個人開業
将来性
今日、家族のあり方の多様化や人と人のつながりの疎遠化、いじめ・不登校の増加、児童虐待事案の増加など心理面からのアプローチを必要とする課題が拡大し、臨床心理士の職務は複雑化している状況にあります。このため、心理職の活躍する場面は今後とも増えていくものとみられます。
有資格者数
4万749人(2023年4月現在)
出典:「臨床心理士とは」|日本臨床心理士資格認定協会
(http://fjcbcp.or.jp/rinshou/about-2/)
勤務形態
雇用形態は正社員だけではなく、パート・アルバイトや派遣などもあります。
給与水準
地方公務員やこれに準じた関係機関の場合、地方公務員給与規定にもとづきます。病院など民間の場合、公務員給与規定に準じて資格手当が付くこともあります。
いずれにせよ、月収は30〜32万円が相場、アルバイトやパート、派遣社員の場合、時給1,200〜1,500円ですが、個人開業の場合、年収500〜600万円と高収入を得ている人もいます。
資格取得のルート
臨床心理士を養成する指定大学院、または専門職大学院を修了し、所定の要件を満たして認定試験の受験資格を得る、もしくは諸外国で指定大学院と同等以上の教育歴を有する、あるいは医師免許取得者であって臨床経験を2年以上積むなどして認定試験の受験資格を得ます。そのうえで日本臨床心理士資格認定協会が実施する臨床心理士試験に合格し、資格を取得します。
ただし、資格の取得後、5年ごとに資格の更新が義務づけられ、過去5年間、学会活動やワークショップへの参加、認定協会主催の研修会への参加などがポイントとして評価されます。更新時に最低15ポイントを取得していることが必要です。
臨床心理士試験の概要
試験内容 |
〈筆記試験〉 |
設問=100題 |
@臨床心理査定 |
A臨床心理面接 |
B臨床心理的地域援助 |
C@〜Bの研究調査 |
D臨床心理士に関する倫理・法律等の基礎的知識及び基本的な姿勢や態 度 |
小論文=1001字以上1200字以内 |
〈口述面接〉 |
試験日 |
年1回、10〜11月 |
試験場 |
東京 |
申し込み期間 |
7〜8月ごろ |
受験手数料 |
資格審査料30,000円、認定料50,000円 |
合格者状況
出典:「「臨床心理士」資格取得者の推移」|公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会
(http://fjcbcp.or.jp/shitokusha/)
資格取得のポイント
試験科目は臨床心理査定や臨床心理面接、臨床心理的地域援助などのため、心理学系統の学問を学びます。また、実務経験が必要な場合、学校を卒業後、教育相談機関や病院等の医療施設など、心理臨床の経験として認められる職場に就くことが大切です。
関連団体・組織
一般社団法人日本臨床心理士会
https://www.jsccp.jp/
公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会
http://fjcbcp.or.jp/