トップ背景

トップ

高齢・介護

医療

障害者福祉

子ども・家庭

知りたい

wamnetアイコン
検索アイコン
知りたいアイコン
ロックアイコン会員入口
トップアイコン1トップ |
高齢アイコン高齢・介護 |
医療アイコン医療|
障害者福祉アイコン障害者福祉|
子どもアイコン子ども・家庭
アイコン



勤怠管理システム・勤務シフト作成支援システム
福祉医療広告

高齢・介護
医療
障害者福祉
子ども・家庭

福祉医療分野の制度・施策動向ウォッチ
トップ

2026年06月24日

【こども家庭庁】第4回こども家庭審議会幼児期までのこどもの育ち部会保育専門委員会(令和8年1月21日開催)

すべての乳幼児への尊厳を重視した保育現場の関わりが
生涯にわたるウェルビーイングの向上に重要な役割を担う

 第4回幼児期までのこどもの育ち部会保育専門委員会(会長:秋田喜代美・学習院大学文学部教授、東京大学名誉教授)が1月21日開催された。話し合われたのは、「こども基本法」に基づき2023年12月に閣議決定された「はじめの100か月の育ちビジョン」の重要なキーワード、「生涯にわたるウェルビーイングの向上に資する保育の充実」についてで、保育現場における現状と課題、改善策をめぐり、建設的な意見が交わされた。

 第4回幼児期までのこどもの育ち部会保育専門委員会(会長:秋田喜代美・学習院大学文学部教授、東京大学名誉教授)が1月21日開催された。話し合われたのは、「こども基本法」に基づき2023年12月に閣議決定された「はじめの100か月の育ちビジョン」の重要なキーワード、「生涯にわたるウェルビーイングの向上に資する保育の充実」についてで、保育現場における現状と課題、改善策をめぐり、建設的な意見が交わされた。

現場の現状と課題を可視化し
改善に向けた具体像を浮かび上がらせることが求められる

 「はじめの100か月の育ちビジョン」では、こどもの誕生前から幼児期までのはじめの100か月間こそが、生涯にわたるウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に幸せな状態)の向上にとって最も重要な時期とされている。そして、この期間に行われる保育は、一人ひとりのこどもの生涯にわたるウェルビーイングの基盤となる重要な役割を担うものだ。乳幼児期の保育をどのように充実させるべきか、また特別な配慮を必要とするこども(障害のある乳幼児や外国籍等の乳幼児)への適切な援助について具体的な意見が述べられた。

 会議冒頭、事務局から、乳幼児一人ひとりを尊重した援助を充実していく際に必要な現状と課題3点があげられ、それぞれ改善・充実に向けた論点(案)が示された。

@養護と教育の一体性に関する課題

 現行の保育所保育方針では、乳幼児が現在を最もよく生き、望ましい未来をつくり出す力の基礎を養うため、乳幼児一人ひとりに対し十分に養護の行き届いた環境下、くつろいだ雰囲気のなかでさまざまな欲求を満たし、生命の保持や情緒の安定を図ることが望ましいと示されている。一方で保育所等における保育においては、養護と教育を一体的に行うことに関する現場の理解にばらつきが生じ、実践上の混乱がみられる。

 これに対し、養護が乳幼児期全般を通じた育ちと学びの基盤となるよう位置付けを明確化し、記載内容の整理を行ってはどうか。また、現行の保育所保育指針の「養護に関するねらい及び内容」と重複する部分も多く、保育士による援助と乳幼児の姿が混在する箇所もあるため、よりわかりやすい記載が必要となる。

【用語解説】保育所保育指針

保育所保育指針とは、保育所における保育の内容やこれに関連する運営等について定めたもの。

【用語解説】養護と教育の一体性

保育における「養護」とは、子どもたちの生命を保持し、その情緒の安定を図るための保育士等による細やかな配慮の下での援助や関わりを総称するもの。

「養護」と「教育」を一体的に展開するということは、保育士等が子どもを一人の人間として尊重し、その命を守り、情緒の安定を図りつつ、乳幼児期にふさわしい経験が積み重ねられていくよう丁寧に援助することを指す。

<各委員からの意見>

○養護について、こどもの主体を尊重する、こどもを主体として捉えていく視点が記載として入ってくるとよい

○「養護が育ちとまなびの基盤となる」という表現は適切であるが、「育ちとまなび」が別物のように感じられる点については再整理が必要だ

○例えば食事は、養護と教育が同一の時間、空間で同時に成立する典型的な生活の場面であるため、養護と教育の一体性を現場で具体化することが重要である。

○文面として、保育士の援助と乳幼児の姿が混在している点については、どこに主軸を置くのか整理が必要に

○養護と教育の一体化という言葉が非常に難しく、教育に引っ張られてしまうと、本来、保育は個々からスタートした一人ひとりの計画があるにもかかわらず、年齢別の計画、4月から3月生まれのこどもたちが1年間同じ内容を求められる結果にもなりかねない

○養護は、こどもの思いや意見の尊重であり、意見表明を支える基盤となるものだ

A乳幼児一人ひとりの興味や関心に応じた保育・教育の実践に関する課題

 「こども基本法」の理念に基づきすべての乳幼児に対して格差のない質の高い保育・教育を保障するには、一人ひとりの状況や発達の過程を踏まえたうえで、丁寧な理解に基づいた援助が必要となる。ところが、一部の幼児教育施設においては、一人ひとりの思いを置き去りにし一方的な指導が行われているとの指摘もある。

 保育士自らが、人的環境の一部であることをより自覚し、自身の眼差しやかかわりが乳幼児にどのように受け止められているのか振り返る視点を持つとともに、乳幼児が相手との関係性により異なる姿を見せることを踏まえ、他の保育士や保護者と情報を共有し、多面的に理解を深めていくことが重要となる。このようなこどもの理解を踏まえた援助の充実は、乳幼児一人ひとりの人権に配慮し、人格を尊重することにつながる。

<各委員からの意見>

○できないことをできるように支援するだけでなく、できないことを認め、支えていくという考え方を保育所保育指針の中に文言として入れてはどうか

○一般的な年齢発達や他のこどもと比較して優劣をつけたり、決めつけを行う傾向があるが、一人ひとりのこどもが何に興味や関心を持ち、楽しいと感じるのかを基本に理解してかかわることが重要だ

○発達という言葉をどう理解するか。保育所保育の発達観がこども理解の一つの背景、根拠として非常に重要ではないか

○「ゆるやかな担当制」をはじめ、指導方針を指針の中でどのような形で書き込むか

B特別な配慮を必要とする乳幼児への援助に関する課題

 近年、障害のある乳幼児や外国籍で日本語に不自由な乳幼児が増加傾向にある。具体的援助や保育の実践については、保育士、保育教諭の個々のスキルに委ねられている現状があり、適切な支援が十分に行われていない懸念が指摘されている。

 このように特別な配慮が必要な乳幼児においても、保育の基本は共通であるが、より個別的な援助が必要となるケースでは、それぞれの特性やニーズに応じて専門職や専門機関との適切な連携を図っていくことが重要ではないか。

<各委員からの意見>

○施設類型を超えた特別支援計画の書式統一が重要

○食においても個別支援が確実に実施されるように、保育者を中心に管理栄養士、看護師、嘱託医等が必要に応じ情報を共有して支援方針を更新できる体制整備を指針の中に明確化していくことが重要に

○保育士だけで乳幼児の問題について抱え込むのではなく、心理職を始めとする多職種と連携していく方向性も必要だ

○外国籍のこどもに対する母語支援の充実も、アイデンティティ獲得のプロセスの中で重要では?

○他の乳幼児や保護者が、特別な配慮を必要とする乳幼児の特性を理解し、受け入れることを働きかけるインクルーシブ保育についても書き加えることも考慮してほしい

 最後に秋田会長から会議の締めくくりとして、@養護についてはさらなる整理が必要である Aこども理解については、難しくともそれを探ろうとするプロセスが理解の原点になる。わかったつもりでパターン化したり、手垢がついた言葉になってはいないか常に検証が必要だ B特別な配慮が必要な乳幼児に関しては、全ての乳幼児において基本は同じであると同時に、障害があったり外国籍であったり可視化されやすいことにだけに焦点を当てるのではなく、こどもの生きづらさや心地よくないと感じている状況に対しても配慮が必要である、という旨のコメントがあった。

 今後、保育所保育指針改定へ向け、さらなる議論が積み重ねられていく予定だ。


ページトップ