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連載コラム
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トラブルに学ぶリスク対策

介護現場で起きた事例を踏まえ、原因とその防止策のポイントをお伝えしていきます。



<執筆>
株式会社安全な介護 代表取締役
山田 滋(やまだ しげる)
<プロフィール>
介護現場で積み上げた実践に基づくリスクマネジメントの方法論は、「わかりやすく実践的」と好評。著書に『安全な介護』(筒井書房)、『介護施設の災害対策ハンドブック』(中央法規)など多数

事例㉗:事故の謝罪の場面で主任の非礼に家族が激怒

こんな事故が起きました!

特別養護老人ホームの職員のミスで利用者を転倒させてしまいました。幸い骨折はなく打撲で済みましたが、息子さんに施設に来てもらい介護主任と相談員で謝罪することになりました。当日約束の時間に相談員が息子さんを相談室でお迎えしましたが、主任が現れません。10分遅れて相談室に来た主任は、頭にタオルを巻き短パンにTシャツ姿で「すみません、入浴介助に入っていたので」と言いました。息子さんは主任に向かって「失礼じゃないか!謝罪すると人を呼びつけておいて遅れて来たうえに、なんだその格好は!」と激怒して帰ってしまいました。息子さんは翌日理事長に電話して「あんな礼儀知らずを主任にした経営者の責任だ」と言いました。

事故原因と防止対策

息子さんが激怒したのは、事故の謝罪という最も接遇が重んじられる場面で、主任という役職者でありながら“身だしなみや態度”という社会人として最低限のマナーがまったくできていなかったことです。謝罪という絶対に失礼があってはいけない場面ですから、介護主任のような常識外れの非礼は取り返しがつかない最悪の事態を招きます。接遇は社会人としての常識という側面がありますから、常識を逸脱したような非礼になれば、本人の責任問題ではなく法人組織の経営責任を問われてしまうのです。息子さんが理事長にまで電話をしたのは、主任の責任ではなく法人の責任だと言いたかったからでしょう。

ではなぜ、介護主任は社会人としての基本的なマナーが備わっていなかったのでしょうか?理由は一つです。学校で教わらず職場でも教わらなかったから知らなかっただけなのです。すると、役職者に限らずPTやOTなど医療専門職や看護師でも、同じことが言えるかもしれません。

では、施設職員に対する接遇研修はどうなっているのでしょう?施設をはじめとして介護事業者は、キャビンアテンダント出身のコンサルタントなどを招いて、お辞儀の仕方などの接遇研修をしていますが、このような一部の職員対象の単発的な外部研修は意味がありません。本事例のように接遇のレベルの低さが原因でトラブルになるのは、最低限の接遇ができなかった時ですから、最優先で取り組むべきことは、

事故の謝罪の場面で主任の非礼に家族が激怒
「最低限の接遇もできない職員をゼロにすること」なのです。接遇が0点の職員は組織全体からみれば、明らかに大きなリスクと捉えるべきです。

すると、相談員など比較的接遇ができている職員に外部研修を受けさせることより、介護現場で接遇が0点の職員を50点に底上げする努力をしなければなりません。0点を50点にするためには、単発的な研修ではなく、職場で継続して取り組む接遇訓練が必要になります。接遇は頭で理解しても訓練しなければ身に付かないからです。

もともと、介護職員は、ホテルマンやキャビンアテンダントなどと異なり、接遇のプロである必要はありません。ですから、ビジネスマナーの厳格なお辞儀の方法を学ぶより最低限の社会人のマナーを身に付けることで十分ではないでしょうか?

トラブルを避ける事故対応

事故の謝罪の場面での職員の非礼は、事故をさらに大きなトラブルに発展させます。事故自体に大きな問題がなくても、事故の謝罪での非礼というもう一つの大きなトラブルの種を生んでいるのです。その意味で、施設の事故の謝罪についての対応は、世の中の常識からみて新たなトラブルを生む危険性をはらんでいます。どんな業種でも、事業者の落ち度でお客様に迷惑をかけて謝罪をしようとする時、必ず相手の家に出向いていきます。これが社会の常識です。なぜ、職員のミスで事故を起こして謝罪をする時に、平気で家族を施設に呼びつけるのでしょうか?基本から考え直すべきです。

※ この記事は月刊誌「WAM」2017年6月号に掲載された記事を一部編集したものです。
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